帰りのファストボートのチケットを手に入れた私は少し安心した。
これでとりあえずはバリ島まで帰れるし、そこから飛行機に乗れば日本まで帰れる。(来たばっかりなのに帰る心配ばかりしている、、ヘタレである)
それから車はサクサクと港に着いた。さっそくボートに乗り込む。
このボートはトラワンガン島に寄った後、ロンボク島に行くボートのようだ。甲板に積まれた荷物の3分の2はロンボク島に行く人たちのものであった。
ちなみにこれまでの日程で日本人に会う事は皆無。ここでも乗り込む乗客はほぼ欧州人、わずかに中国系と思われる人々、あとはインドネシア人の乗務員。
船に乗り込んで港を出発して直ぐに、何人かが船室の席を立って船の外側に通じるドアから出て行ったまま帰って来ない。
あーこりゃ甲板に出られるな?と察して同じドアから外に出てみた。すでに高速で走り出しているボートは水面を滑りながら激しく水しぶきを上げている。
落ちたらまず助からないなーーと思いながらも側面ギリギリを歩きながら甲板に上がりたいアピールをすると、乗務員が手を添えて梯子を登らしてくれた。(一応女子なのだ)
すでに甲板にいる人たちは思い思いに座ったり寝ころんだりしている。私とK織も適当なスペースを見つけて船の端に腰をかけ、サンダルを脱いで水面に足を垂らす。
めちゃめちゃ気持ちいいーー!
風がすごい勢いで顔や髪をすり抜けて行く。
やがて視界の中から陸地が消え、前もうしろも海になった。
遠くでイルカも並走してる。
そのうちにボートはトラワンガン島へ。
旅が終わった今も記憶に残る気持ちのいい2時間半だった。
港というか、、、ボートはそのまま浜辺に突っ込むカタチで島に到着。降りる場所は波打ち際である。
足下を波に巻かれながら、ボートから降り浜辺に降ろされている自分の荷物を確認する。
そしてこの時点で自分がバックの選択を間違えたことに気づく。浜辺に積まれている荷物は私のを覗いて100%バックパック。
コロコロの付いたスーツケースなんてだれも持って来てない。
そう。ここはバックパッカーの島。
あるのは砂浜と石がゴロゴロしている泥濘の道のみ。
道路を渡るのは自転車かチドモと呼ばれる一頭立ての小さい馬車のような乗り物だけ。もちろん車もない。
そんなところで、ゴロゴロとスーツケースを引きずって歩くわたし。遠足でみんながジャージなのに1人だけまちがって制服を着て来たみたいな恥ずかしさだ。
実は前の晩パッキッングしながらかなり迷ってスーツケースにしたのに。。。
一応島に行く事は判っていたので、バリ島に来る際に日本からザックを持って来てはいた。
けれど、そのザックの容量は30ℓほどと小ぶりだったため、滞在日数が決まってない旅の荷物を詰めるには少し無理があると判断。悩んだ末、日本から持って来た荷物の半分程度をスーツケースに詰め、残りをトラワンガン島に渡る前にザックごとプラマ社に預けて来た。
その結果、止むなく雨上がりの泥濘をスーツケースをガタガタ云わせながら、我々は予約していたバンガロー「Gili Life」を目指して進むのだった。
*ちなみに、プラマ社というのはKutaのレギャン通りにある旅行会社のひとつ。ボートのチケットの手配だけでなく、荷物の預かりもしてくれる(費用は一週間で100円程度)島に渡るならぜひオススメ。
つづく
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