I went to Bali 6 「怒れるわたし」

思い出したらだんだん腹が立ってきたので、この勢いで続きを書くことにする。

 

そう。その日の夜の出来事。

 

めちゃくちゃ美味しいアヤムゴレンのお店でアヤムを食べたくなり、この夜に友達と”アヤムゴレン・プルンクン”に向かう。

*アヤムゴレンについては後日たっぷり紹介したいと思う。そのくらいの感動すべき食べ物である。

 

食べ終わり、まだ7時頃だった。

夜中にまた仲間で集まりレゲエバーに行く予定ではあったが、前の日のサーフィンの疲れを引きずっていたワタシはひとりホテルに帰って、夜中の集まりまで休む事にした。

考えたらこの時すでにサーフィンで肋骨折れてたしね。それでも夜中のレゲエバーには行くつもりの◯◯歳。お元気でなにより。(– –#)

 

で、タクシーを使う事にして、通りで拾う。

少し汚れた感じの濃紺のボディ。

バリで安全なタクシーは「ブルーバード」という会社だとガイドブックには載っていたが、ブルーにしては色が濃すぎるし、どちらにしても女1人で乗り込むのは初めてだ。

大丈夫かなと心配しつつも、現地の男友達であるMドゥンが運転手に行き先を説明してくれる。メーターも倒せと伝えてくれた。

(はじめに言っとかないとそのまま発進され、タクシー料金が運転手の言い値になったりする)

 

そして車は走り出した。

 

まず、開口一発「あの男(Mドゥン)はお前の彼氏か?」と聞いてくる運転手。

疲れていたので何も考えずに「違う。友達の彼氏だ」と答えるワタシ。

 

「じゃ、お前の彼氏はホテルで待ってるのか?」と運転手。

「待ってない」とワタシ。

「日本人か。日本に彼氏がいるのか?」と。

めんどくさいので、ずっと「No!」とだけ答えていたら、

 

「夜の海が見たくないか?海岸通の道を走ろうか?」

と振り返って微笑む運転手。明らかに何かを企んでいる顔。

 

なんでやね〜〜ん????!!!!

とココロの中心で関西弁を叫ぶ。

 

マジかー?しまったー!

ホテルにゴリゴリのヤクザの彼氏が待っていると答えたらよかった。。

が、時すでに遅し。。。

 

「No!No! ハリーアップ トゥ ホテル!」

と語気荒めに言うと

「そうか。。急いでいるのか。。」と残念そうに言われ、とりあえず夜の海岸ドライブは免れたようだった。

けれど、どんどん人通りの少ない暗い道の方に入っていくタクシー。

 

こっちに来る前にネットや友達から聞いた危ない目にあった日本人観光客の話を思い出す。

 

ワタシは向こうで買ったサムスンの携帯電話を取り出し、無意味にピコピコとボタンを押して変な事したら友達呼ぶわよ的ポーズを取ったり、ここはレギャン通りか?この道はベモコナの近くか?と、オノボリサンじゃないのよ道知ってるのよ的アピールをしてみたりして応戦していた。

 

その甲斐あってかどうなのか、車は無事ホテルに着いた。

 

さて、問題はそこからだ。

 

「300円ください」←なぜかここだけ日本語。

運転手は振り返って言う。

 

「はてな?」である。

 

メーターは2490ルピア(まあたぶん200円強)

 

「なんで?メーターは2490でしょ?」

とワタシ。

 

「イイじゃないですか〜300円くださいよ〜」←やけに使い慣れたナメきった日本語

 

さっきまでの怖がらされた思いがこのバカにしたような日本語の口調で一気に蘇ってきた。この時点で自分の血圧が上がってきているのが自分で判る。

 

「キャン ユー シー ザ メーター?」とわざとゆっくり聞いてみた。

「イエス」とちょっとかしこまった様子で答える運転手。

 

「なんで300円払わなアカンの?ちゃんとお釣払ってね」

と50000ルピア札(しかなかった)を出したワタシに

 

「釣はな〜い」と悪びれず言い放つ運転手。

あたまの中で「ブチッ!」という音がした。

 

 

「ワット 

     ユア 

        ネイム?」

 

次にワタシの口から出たのはコレだった。

もはや無敵だ。

 

「ヤワン」とオドオドしながら答える運転手。

 

「ステイ ヒヤ ヤワン!!!!!」

 

車を降りてホテルのすぐ横にあるコンビニに飛び込み、10ルピア単位までお金を崩すと、車に戻ってヤワンにキッチリ2490ルピアを渡す。

 

「なにか問題あるか?」と聞くワタシに

「ない」とちいさな声で答えるヤワン

 

怒りの中ホテルの部屋に戻りつつ振り返ると、ヤワンが後部座席のドアを閉めにコソコソと運転席から降りてくる姿が見えた。(自動ドアじゃないしね)

 

叱られた子供のようにショボクレた後ろ姿に

「アホか!」

 

とバリのホテルのプールサイドで小さく叫ぶワタシであった。

 

 

つづく